光田健一 幸せコンサート 師走の銀座編 

at 銀座博品館劇場 on 2001.12.15

〜涙の健ちゃん〜

 

<セットリスト>

M1:Beginnings!

M2:東京という街で

M3:みち草

M4:愛の証

M5:スクリーンの夢

M6:Night and Day

M7:この冬が終われば

M8:美しい想い出に

M9:H*E(弾き語り)

M10:願い(弾き語り)

M11:君に夢を伝えたい

M12:僕はピアノが好きなんだ

M13:Cry'n Smile

M14:詳しくは言えない

M15:東京エンプティタウン

M16:誓い

M17:宝物

EC1:空が好きだった君に

EC2:A HAPPY NEW YEAR

EC3:愛は勝つ

 

<メンバー> 

「光田健一とグレートフル・ハピネス・オーケストラ」

光田健一(Pf/Vo)・田中豊雪(B)・河崎真澄(Dr)・斉藤久美子(Cho)・榛葉芳子(Cho)・養父貴(G)・河野啓三(Key)・Cico(Per)・向井淳(Per)・

森琢哉(Vio)

 

 

 

 

 

◆ はじめに

 

一昨日、蒲田で行われたコンサートの銀座博品館編。こちらの方は、キャパシティが小さい事と、土曜日公演ということもあり、早々と売り切れになった公演。

 

会場に着いたのは、開場時間後。会場の有るフロアまでたどり着くにもエレベータ待ちで、意外と時間が掛かる会場入り。

 

今回は、基本的に蒲田編との違いについてのみの、レポートにしようと思う。ここで、最も分かりやすい違いに触れると、楽曲が増えていたこと。増えた楽曲は、「この冬が終われば」とアンコールの「愛は勝つ」。なお、弾き語りの2曲の間に、洋楽カバー曲がつなぎとして使われていたが(蒲田の時は、「若者たち」のみだった)、蒲田編と同様に、セットリストに記載はなかったので、曲数に含めていない。

 

今回の席は、F列、センターブロックの通路側の席。なかなか、良席。今回のステージには、グランドピアノもRhodesも置いていない。これは、ステージの広さにも関係しているのだろう。いつも使っている、YAMAHAのエレピが中央に。健ちゃんは、この楽器のみの使用となるようだ。

 

 

◆ 本編とアンコール

 

開演予定時刻を15分ほど押して、17:15、蒲田編と同様に幕が上がった。蒲田の会場よりも、こじんまりした博品館の空間は、蒲田よりも音響が良く、また雰囲気的に落ちつく空間。3曲目まで一気に演奏し、最初のMC。MCは、やはり変化が生じるポイントでもある。久し振りに、「光に田んぼの田、健康一番の光田健一です」の挨拶。「あ〜懐かしい」と思った。博品館劇場では、21歳くらいまでの2、3年間、ミュージカルのピアノをやっていたから、懐かしいと言う健ちゃん。まさか、ここで自分のコンサートをやるとは思いもしなかったとも、口にしていた。スタレビ脱退の事や、メンバー紹介も行われた。次曲の紹介では、「アルバム未収録曲等〜」が上手く言えず、笑いながら言い直した健ちゃん。

 

7曲目の「この冬が終われば」は、蒲田編に含まれていない楽曲。ピアノイントロから始まり、ボサノバのコーラスが非常に心地よかった。また、けいぞ〜君のピアニカや、けいぞ〜君のキーボードと森さんのバイオリンとのユニゾンフレーズに思わず、はっとした(なんというのだろう。一瞬耳を奪い去られるような感じ)。

 

9曲目の「H*E」(弾き語り)は、蒲田編とは違う、感情の入れ方をしていた健ちゃん。この曲は、クラリネットを吹いていた友人が亡くなった事を思いながらの楽曲であるが、今回の歌い方は、感情移入が大きかったと思う。歌い方の雰囲気が、蒲田とは大きく違った。「泣いているの?健ちゃん」とも、思った曲。3列目にいた友人の話によれば、どうも、泣いていたらしい。「願い」につなげる際には、洋楽カバーが2曲。「H*E」から流れるように演奏されたが、最初のカバー曲は、聞いた事はあるが、タイトル不明(有名な曲。セットリスト表で確認しようと思ったが、無記載の為不明)。2曲目は、「ムーンリバー」。そして、「願い」に流れた。

 

メンバー再登場での、メンバー紹介。森さんを、今回もピックアップ。より詳細な、森さん像が浮かび上がる。森さんは、芸大を6年で中退(それでも4単位しかとっていない…)。「うちは、お金があったんで」と豪語する森さんに対し、健ちゃんは、「なんか嫌味だなぁ(笑)」と(ちなみに、健ちゃんは学生課に「光田君。芸大では、除籍はいないのよ。学費を納入すれば、中退扱いにするから」と言われたそうで、滞納していた学費を払い、中退になったとか)。「2歳で神童と呼ばれていた」という森さんは、「自分で言っただけなんだよね」と発言する。これに大笑いをしたのが、けいぞ〜君。コンクールも勿論受けていた森さんは、「ヨーロッパは趣味に合わない」と言い、「中南米のコンクール(ラテン系)」等を受けていたとか。森さんの受け答えが、なかなか面白かった。ここでも、森さんのバイオリンと言えば?の曲が少し披露される。メンバー紹介メドレーは、CICOちゃんの動きが、蒲田よりパワーアップ。それは、メイクにも現れている(メイクも激しく…。久美ちゃんはそれを見て大笑い)。「Cry'n Smile」のコーラス練習時、健ちゃんはもの凄く、「うぉ〜」って思った模様。皆で合わせた時に、「すご〜い!」と声にし(マイクに通っていないが)、笑顔満載だった。「東京エンプティタウン」での、「おめでとうヤクルト!」では、ジャイアンツのメガホンも登場。実は、ステージにジャイアンツのメガホンが置かれていて、「対抗するか?今日は」と思っていた。CICOちゃんの動きも激しかった為、健ちゃんは、爆笑もしていた。

 

CICOちゃんの衣装替えを待つMCの時間(「誓い」の前)では、お客さんを交えての記念撮影。女性カメラマンがステージに登場し、皆で写真を撮る。お客さんも中央に集まるが、大体どこまで入っているのやら?お客さんの役目としては、雰囲気作りといったところだろうか。その後、「誓い」、「宝物」を演奏し、19:55に、本編終了。

 

アンコールで、メンバーが改めて登場すると、森さんが帽子を取る。なんと、森さん坊主!2日前には確かに、髪の毛が有った頭。この2日間で、何が?と思わずにいられないが、別に何がってことも無いのだろう。森さんが今回帽子を被って登場したのは、この理由からかと、思った。蒲田編と同様に2曲演奏し、メンバーはステージを去るが、健ちゃんはステージに残る。最後は弾き語りで、「愛は勝つ」。途中、声を詰まらせながら歌う健ちゃん。健ちゃんは泣いている。色々な思いが、こみ上げてきたのだろう。健ちゃんの詰まらせる声に、反応するかのように、客席からも啜り声が聞える。3列目にいた友人によれば、健ちゃんの目からは涙がこぼれ、頬を伝っていたという事。私の席からは、そこまで見る事は出来なかったが、泣いている…という事だけは、十分過ぎるほど感じ取れた。最後に健ちゃんは、笑顔で有難うと言い、ステージを去った。20:15終了。

 

 

◆ ちょっと感想

 

蒲田で楽しめなかった分は、取り戻せた。健ちゃんにとって色々とこみ上げるものが、今回は多かったのかもしれない。蒲田編とは違う感情があったかのように思えた、今回の公演だった。ちなみに、「僕はピアノが好きなんだ」のコーラスは、今回は、イマイチ感をあまり感じなかった。

 

実は、この日は、ミッチーこと、及川光博氏のツアー初日でもあった。場所は、健ちゃんが去年、公開レコーディングを行った、三郷市文化会館。FC先行で抽選漏れし、つてで、チケット入手可能な状況にあった中、このライブのお知らせが届いた。正直、どっちに行こうかと思った。両方行きたいものは仕方がないが(ミッチーの三郷は、ほぼFC専用公演に近い状態だった)、健ちゃんライブは久し振りでも有るし…と悩んだ。そこで、ミッチーチケットの口を利いてくれた知人に、ちょっと待って欲しいとお願いした所、それは困ると言われ(当然だが)、ミッチーの方は、さっさと後釜が決定。その為、私はこの博品館のチケットの申し込みをした。はっきりいって外れたら、かなりブルーになった事だろう。ミッチーのチケットまで蹴ったのに、なんで取れないわけ?と…。実際は取れたので、こうして行けたわけだが。

 

蒲田で購入しなかった、パンフレットを購入。このパンフレットは、写真満載。健ちゃんのポエムも有る。写真は、プライベートなお宝映像も満載。ポエムに関しては、健ちゃんの日常の思いが覗けるといった感じだろうか。正直、ポエムは、私個人的には、ミッチーの方が哲学的な美があるので、好きだが。まあ、健ちゃんの個性が出ている作品(ってなんでここで、辛口的表現をしているのか!)。ポエムとは、そういうものだ。ちなみに、パンフレットの事は、健ちゃんのテレフォンサービスでも健ちゃん本人が触れていた。確か、内容についての説明もあったのだが、その時に、「ミッチーと同じ様なものだわ」と思った私。ミッチーのパンフレットは、写真満載(写真集と言っても過言ではない)で、ポエムも掲載。以前から、この二人はなんとなく似ている部分が有ると思っていた私は、やっぱり発想が似ているのか?と思わずにいられなかった。まあ、音楽的な事については似ているとは思っていないが…。

 

このコンサートの後、コンサートがいつ出来るのかなんてことは、分からない。健ちゃんは、「この活動だけ(ソロ活動)では、食っていけない」と言っていた。実際に、そうだろうとは思う。ソロ活動で食っていくには、やはり、インディーズでは厳しいだろう。健ちゃん自身、ミュージシャンが職業である以上、ミュージシャンで食っていく事になるわけだろうが、どんな経歴があろうと、才能が有ろうと難しい業界なのだろうと思う。サラリーマンで言えば、次の職場を見つけずに、会社を辞めたようなものだろうし。

 

とは言っても、健ちゃんは音楽を続けるのだろうから、今後については、待っていくしかないのだろう。個人的には、数年前に見た、セッションライブが増えると楽しいかも。勿論、ソロライブも楽しみだ。

 

しばらくは、休養してもらって、ゆっくりと進んでもらえばいいのではなかろうかと思う(食っていけなければ、話にならないが)。行き急ぐ必要は特に必要ないと思う。